「大阪都構想」と「横浜市・川崎市・相模原市ほか政令指定都市7市の大都市制度」について。

「大阪都構想」とは、言うまでもありませんが「大阪府と大阪市の二重行政を解消するために」というスローガンのもと、橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表/前大阪府知事)が、推進をしている政策です。大阪府の中にある政令指定都市(以下、政令市)二市をいくつかの区に再編(大阪市・堺市を解消し一体化)し、東京23区のような形にしましょうというのが、その内容です。それぞれの区においては、区長を公選制にして、議会も作る事まで想定していると私は理解しています。
/橋下市長と松井一郎大阪府知事が選挙で大勝し、現在、大阪府議会では「大都市制度検討協議会」、大阪市会では「大都市・税財政制度特別委員会」、堺市議会では「大都市行財政制度調査特別委員会」においてそれぞれ、大都市制度に関する調査・協議等が行われているようです。

/神奈川県に住んでいると「大阪都構想」というのは、どこか遠くで起きていることで「大阪都が出来ようが、どうなろうが関係ない」という空気が支配的で、現実に私の地元・厚木市周辺でも、そんな感じです。
/大阪都構想とは、少しばかり指向が違いますが、神奈川県の横浜市・川崎市・相模原市ほか政令7市による「新たな大都市制度の創設」というものがあります。これを神奈川県で言うと「今の神奈川県の役割を横浜市、川崎市、相模原市がそれぞれの地域で、それぞれに担う」という事を目指しています。
/横浜市の想定する基本的な枠組みを横浜市の言葉を借りると以下の様になります。
(1)地方の事務(国の事務以外)をすべて担う、広域自治体の区域から 独立した特別な市とする。
(2)基礎自治体と広域自治体の性格を併せ持ち、国が行っていた役割も 果たす総合性と自立性の高い自治体に。
(3)府県の区域外となっても、圏域の中枢都市として、広域的な役割を 積極的に担う。

「府県の区域外となっても」ということは、平たく言うと「県からの独立」です。

/この動きは、昨年10月に「指定都市7市による大都市制度共同研究会」が出来てから、概要がはっきりとして参りました。この大都市制度については、昨年9月14日の民主党・松崎淳議員による代表質問、12月7日の民主党・青山圭一議員による一般質問(共に平成23年第3回定例会)において、本会議で取り上げています。
/「大阪都構想」の動きが、国の政局に大きな影響を与えかねない状況となり、実現も視野に入りつつあります。まかり間違えば、実現してしまうかもしれない状況にあるという方が適切でしょうか。
/実際に実現にいたる時には、「大阪だけ特別に行政体の形を変えること」になったり、「全国の政令市が全て一律に『(政令7市の大都市制度でいう所の)大都市・特別自治市』の形になる」わけではなく、全国で「手を挙げた政令市だけが『大都市・特別自治市』となる」とみるのが妥当でしょう。

/ここで、ひとつ問題がおきます。県からの独立をうたっても「そのまま右から左」というわけにはいきません。国税の一部を財政基盤の弱い自治体に配分する「地方交付税交付金」の様なシステムを県(道府県)内に入れなければなりません。その際の決め方が、問題となります。大阪府などでは政令市以外の人口の方が多いですから、理不尽な決め方は通らないと思いますが、神奈川県は、県民人口の62.6%(3分の2)が政令市の市民です。当然、普通に決めたのでは、政令市民優遇となり、厚木市のような一般市民にとっては不利と成りかねません。

/前述の通り、我が民主党会派でも昨年の第3回定例会で、二人の議員が、この大都市制度について取り上げましたが、その時の黒岩知事の答弁が、非常につれないものでした。

/これを受け、本会議最終日の討論の中では(近藤大輔議員が)「県内の3政令指定都市を含む政令7市が新たな大都市制度の創設に向け研究会を立ち上げましたが、こうした動きに比べると、本県の考える広域行政のあり方、今後の方向性を広く外に打ち出せているのか非常に心もとなく、このままではこの議論の中で本県の存在が埋没するのではないかと危惧するものであります。地方分権の流れが加速する中、場合によっては他都県との連携も含め、新たな地方のあり方に向けた本県としての姿勢を明確に内外に示すべく取り組まれるよう求めます。」としました。が、

/一方、改めて、知事答弁を見てみると緊張感が全く感じられません。特に青山議員による質問では、(政令市の独立に関しては)「リアリティーが無い」「現実問題として向き合う必要が無い」といった答弁でした。
/そもそも横浜市が座長市、川崎市が副座長市を務め、相模原市も主要メンバーとして参加している研究会の課題に対して「リアリティーが無い」と言い切ってしまうのも大変に失礼な話であります。

/以上のような流れを受けて、黒岩知事が、答弁の様に全く問題意識を持たずにいるとすれば大問題です。「計算ずくで、わざとそれた答弁をしていない」「政治的な思惑があっての発言」であるとすれば、それはそれでアリですが、そうでないのであるとすると副知事も含めて「理事者たちは何やっているんだ」という気持ちにもなります。

/昨日も五十嵐節馬・横浜市議会議員(旭区選出)とこのお話をさせて頂きましたが、(2月2日から始まる)横浜市議会定例会でも「指定都市7市による大都市制度」は「所管の委員会をはじめ多く出てくるであろう」との事でした。横浜市会の動向も注視していきたいと思います。

/以上、思いつくままに書いてみましたが、「大都市制度」に関わる問題については、引き続き今後の課題にしたいと思います。また、県内市町村(三政令市以外)にとりましても決して他人事ではない問題です。ぜひ、神奈川県内の一般市町村議会議員の方たちも引き続き、今後の動きに注目して頂きたいと思っています。

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