津久井やまゆり園の再生について/浅野史郎神奈川大学教授(元宮城県知事)/飯田満県議会議員

今年7月に殺傷事件が起きた県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」を現地で建て替える方針を決めた県に対し、「建て替えは、障害者の暮らしの場を施設から地域へと移す流れに逆行する」と再考を求める緊急集会が14日、横浜市港北区の横浜ラポールであり、障害者や支援者ら約120人(新聞報道)が参加しました。
県は事件のあった居住棟二棟と管理棟を約60億~80億円で建て替える方針を決めています。
浅野史郎神奈川大学教授(元宮城県知事)からも、過日、私の携帯電話にお電話頂きました。現地建て替えに決めた県の方針については、反対であるといった主旨のご意見を頂戴しました。
浅野史郎教授は、知事時代の2004年(平成16年)には「みやぎ知的障害者施設解体宣言を発表し、県内にある知的障害者入所施設の解体と、知的障害者が地域の中で生活できるための条件を整備すること(ノーマライゼーション)を方針としました。宣言では、「適切な支援措置さえあれば、重度の障害を持った人たちであっても地域での生活を送ることができること、そして、それが知的障害者の生活を豊かなものにする」と説明していました。過日の(浅野教授との)お話の中でも、こうしたお話を頂きました。

私も、障害を持つ家族と共に育ちました。浅野史郎教授から頂いたご意見を胸にこれからも、障害者福祉の推進に努力して参ります。

また、会派は異なりますが、飯田満県議会議員がこうした趣旨の発言を本会議討論で行いました。賛成討論内容(「やまゆり園の再生について」の部分)は、以下の通りです。
私は、討論の内容を評価する立場にはありませんが、素晴らしい内容の討論だと思い、以下に転記します。
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次に、津久井やまゆり園の再生についてです。
1 0月1 4日の討論でも申し上げたとおり、一部の直接的利害関係者の意向に基づき、現在地において、同規模での建て替えの方向性を決定したことは甚だ遺憾であります。
約60億円~80億円もの多額の予算が、想定されることからも、「津久井やまゆり園」再生のみの視点でなく、本県の障害者福祉施策や施設のあり方も含めて、多様な有識者、及び、多くの県民意見を聞きながら検討されるべきであると考えます。
1 2月1 4日には、県内の障害者福祉にかかわる社会福祉法人らの呼びかけで、「津久井やまゆり園建て替えを話し合う集会」が横浜市内で開催されました。
同園の建替えに反対することを訴える内容が主でしたが、「施設から地域へ」という障害者福祉の潮流を理由とするその思いは、傾聴に値するものであります。
私たちは入所施設の必要性を全て否定するわけではありませんが、このような多様な県民の声を聞くことをせずに、大きな方向性を決めてしまったプロセスにも大きな問題があったと指摘して参りました。
県は建替えに対して「時間軸」を強調しますが、建て替えまで数年間かかることを考慮すると、構想策定前に時間をとって多様な意見を取り入れていくことは、十分可能であります。また、前回の指定管理者の選定において、かながわ共同会のみが、応じています。指定管理者制度を前提とするならば、多様な主体が公募に応じやすいあり方も検討されるべきです。
今後は、来年1月~2月に障害者団体等から意見聴取をされるとのことですが、当初の方向性に固執することをなく、集会、電話、メール、 FAX、 SNS などあらゆる手段を用いて幅広い意見を聞いた上で、構想を策定されますことを求めます。 その際の大切な理念は、障害を持たれた方々が真に共生できる社会をつくるために、何をすべ きなのかという挑戦的な姿勢です。
神奈川県から、当事者の人生の選択肢を増やし、施設に過度に依らない新しい「共生モデル」をつくっていくという気概を持って臨むことを強く求めます。
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【写真】: 2016年12月14日、かながわ民進党の県議会議員有志15名で、神奈川県立津久井やまゆり園(相模原市)を訪問し、県議会の議論に資するため、現地調査を行いました。現地調査に先立ち、皆で、献花をさせて頂きました。皆で黙とうし、手を合わせ犠牲となった方たちに心よりお悔やみを申し上げました。
また、園においては、入所者の方もおり、職員の方々も含め施設では、日常を取り戻す御努力をされていることから、黒いネクタイは避けました。御理解頂ければ幸いです。

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